予感
こしごえ

濡れはじめた空が
歌をくりかえすのに
私はピアノを弾けないでいる
雲が沈み雨音が遠くなり
やがて射しこむだろう光に
伸びた髪をさらす
地上が反転する雫のなかで溺れる
鳥の影が風に波打つ

眠る順序を間違えてはならない
そうしないと夢は遠くへ行ってしまう
うつらうつらと子守唄ララバイ
一寸?
太陽が鳴いているわ
遠くへいけない仕種

胸に翻る翼のあとが
西日にしんなり痛む






自由詩 予感 Copyright こしごえ 2006-04-06 08:13:36
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