サンカ
エラ

久しぶりに居合わせた雨で、新しくなる
霞がかった乳白色フィルター

アルコールで剥れ、紅潮した肌のきめ細かい部分に触れると
はらはらと、なにかが散っていくのを感じた。
その体温によってあたためられた柔らかさから、
醒めることが出来ずに、私は歌を歌う。

悲しい歌、それはとても幸福である

その傷口から染み出した体温で、安心を求めること
許してはくれないだろうな。
幸いにも、私はまだ、ひとりだ。


どくどく、どくどく

暗闇にひとひら

散ってゆくものがある

情欲を産めるもの

想いを肥やすもの

溢れてしまえばいいだなんて、嘆いた祈り


私はまだ、笑うことができる。

 


自由詩 サンカ Copyright エラ 2006-04-06 02:16:28
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