星空の轍
たりぽん(大理 奔)

想いを何度も
辿るから刻まれる
傷という名の痛みが
証だというのならば

     想いを何度辿っても刻まないもの

わだちも残さず
同じ道のりを
落下し続けることに
飽きたかのように
燃え尽きる
そのときに微かに輝く
小さなもの

   無言で砂漠に墜落する
   燃え尽きることも
   許されない強き思いの隕鉄を
   拾い集めながら仰ぐ夜空に
   またひとつ

くりかえすのですね  
くりかえすのですね
くりかえすのですね

   同じ道を辿る
   自分の背中を
   追いかけて
   小さな輝きで尽きていく

くりかえすのですね

想いを何度も辿って
刻まれる
傷という名の痛みを
愛しい
愛しいとつぶやきながら
拾い集め仰ぐ夜空

またひとつ
踏みしめる自分の影



自由詩 星空の轍 Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-04-04 00:31:11
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