調律
アマル・シャタカ

弦が弾け飛んだ世界で
美しい旋律など
ない

ただ
哀れみを乞うように
垂れ下がる世界が広がる

せめてその
あなたの腰部
しろく張り詰めた曲線をなぞり
歌声を響かせる
こんな世界を終らせるための

ほとばしったものが
押し流した果てに
大地は六種に振動し
魂を響かせる
視界を白く染めて響く

ただ
あなたの胸に口づけをして
この心を鳴らす

垂れ下がったもの
引きちぎり
この胸とあなたの胸をつないで
一音静かに爪弾きながら
楽譜に涙
書きとめる


自由詩 調律 Copyright アマル・シャタカ 2006-04-03 19:31:16
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