鏡のナイフは似合わない
たりぽん(大理 奔)

鏡に映せない
言葉は綺麗な現象
だから私には
似合わないのです

指をつたう血が
涙と同じ温もり
人の温度と気づくから

  生きると言うことは
  連星アルビレオを見るように
  遠くを見つめることなのでしょうか?

  生きると言うことは
  自分の血が
  さびの味と知ることなのでしょうか?

割れた鏡で
ナイフをつくれば
切り取れる、
星空も
心臓も

そんな簡単なことも
大人になった途端に
ふたり

忘れてしまったのでしたね

きっと
綺麗な刃物だから
私達には似合わないと

笑いあうのでしょうね




自由詩 鏡のナイフは似合わない Copyright たりぽん(大理 奔) 2006-04-02 00:43:09
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