青のフロッタージュ
士狼(銀)

春の木々に手を当て
温かい日差しに眼を細め、
太陽の白さを受けた肌を
青の色鉛筆で写し取る

フロッタージュ。

色あせた紙と鉛の衝突音も
柔かい春風が傍を通る音も
失われた世界に、一人

青のフロッタージュ。

小さな白い部屋を
木々の記憶の端と
空色のコラージュで埋めて

幼い自分と向き合う眠りは。
開け放した窓から覗く、夜風が撫ぜる


自由詩 青のフロッタージュ Copyright 士狼(銀) 2006-03-30 13:50:34
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