桜花
大覚アキラ

諸刃の切っ先
喉元に突きつけられても
触れるまで気付かない
それほどの暗闇の真ん中で
足元の砂 蹴散らして
舞い上がる薄桃色の花弁で
鮮やかに描く 微光の軌跡
水銀灯に群がる羽虫のように
木陰から まろび出る
真っ逆さまの恥知らずども
滑り落ちてゆく 春の闇へ
永遠の うたた寝の水底へ


自由詩 桜花 Copyright 大覚アキラ 2006-03-30 10:25:39
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