盆栽する私
こしごえ

在る

始まって以来続いてきて
この枝の伸びやかな道道に
茂る葉の呼吸は瑞瑞しい

それも
小雪のちらつく昨夜の雲上の月も
陽炎のゆらめく送り火も
私を育ててくれる花娘

季節の裸体をうすく鏡に映す
曲線のしなやかなふくらみの陰影
私が、そこにいる
私なのに
光を浴びて光合成をしている
不思議に息苦しくはない
けれど切なかったり
待つことは
(何を)

命をうちあける
ということは
ほそく、しかも熱く一瞬する重力
ああ祈る形
目覚める先には空の音
純粋に報われることがあろうか
声に出しては宙に堆積する告白

全身で叫ぶ産声
流れて
このからだを
流れる血の記憶青い夢の空のもと






自由詩 盆栽する私 Copyright こしごえ 2006-03-29 14:54:27
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