宇宙旅行記 #1
馬野ミキ

凍える寒さとminiの宇宙船で
こうただっ広い宇宙を旅していると彼にはよく会う
つまり宇宙最強だ
先が宇宙で一番尖っている宇宙最強の剣を持ち
あとは日本の埴輪みたいな感じ。
(俺が日本人だからそういう風に見ているのだと思う)
で、ものすごい宇宙最強の速さで宇宙をところ狭しと飛び回っている。
見えた、と思ったら消える、とかそういうレベルではなくて
来るかな?と思ったら、「ああ、もう行ってしまっただろうな」という感じ。
俺は詩人なので何とかぎりぎり彼を捉えられることが出来るが
普通の一般的な存在だったら誰も気付かないという感じ
パトローラーたちにも彼だけは許されている
タイムキーパーなどは最初から彼の存在など知らないでいるし、
じゃあ一体オマエが保っている時間という概念は何なのか?と小一時間、、、

で、まぁ彼は宇宙最速なのでのんびり宇宙旅行をしている俺とも頻繁に出会うわけ。
一説によると彼が宇宙の端っこにぶつかる度に宇宙は拡大する、
とも言われているけれどこれは俺は嘘だと思う。分からないけど。
悪魔も余裕で彼からは逃げるし、というか
最強過ぎて悪魔さえ視界に入っていないという感じ
だから悪魔対神とかそういう部分にもまるで立ち会う気がないぐらい最強なのよ。
で所持金は0。最強だから買うものもないのだろうし
兎に角ああいう存在をみると、俺もまだまだまともだなって思う。
最初にこれを創った神などは俺の船室のシャワールームで血の涙を流しながら
自分のチンポばかりしゃぶっているし役に立たない。
役に立たないというか、
なんか俺のような地球の詩人が立ち入れないようなREALな真に迫る
迫りすぎて俺自身の存在が危うくなるような怖さがある。
だからまぁ俺のおんぼろ宇宙船で適度に神を預かっている。
つまり神も神でまた、本当に誰にも相手にされず愛されないので
ひからびて小さくなって、へその緒のようになってしまって超へなへなしてる
今では人間はほとんど彼を受け入れないし。
思えば俺の宇宙船の暖房が効かなくなったのは
神のような本物のきちがいを乗せているせいかも知れないけれど、
人間の心を持つ俺としてはこの現実にひじょうに心が痛むのだ。



自由詩 宇宙旅行記 #1 Copyright 馬野ミキ 2006-03-25 22:16:21
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