味噌汁
たもつ
キッチンでは妻の脱皮が始まっていた
手伝われるのを拒むように
かつて僕が愛撫したことのある皮膚を
ゆっくりと丁寧に脱いでいく
新しい箇所は少し湿って
しわしわしているけれど
やがて時間がたてば綺麗に乾き
また人懐っこく笑ったりもするのだ
いつからだろう
具のわからない味噌汁が
鍋で沸騰している
自由詩
味噌汁
Copyright
たもつ
2006-03-24 22:21:16
縦