でもでもでも
炭本 樹宏
清らかな朝 神聖な朝
想いっきり新鮮な空気を
胸いっぱいに吸い込んでみる
遥かな幼き日に見た朝日は
今は見れない
大地に両足を踏みしめていた
季節は美しく通り過ぎた
母の温もりに埋もれていた
季節が何度も通り過ぎ
赤や青や黄色の経験をして
泥道やでこぼこ道をあるいてきた
夢のように月日は流れ
今 ここにたどり着いた
ふてくされてばかりの青春は
苦くて現実から逃れたかった
やがて愛というものを知り
本当の友情をしり
生きることに誠実になろうと誓った
桜舞い散る春も
寝苦しい夏も
鈴虫ないて安らぐ秋も
凍える中を歩かなければならない冬も
季節が変わるごとに心は揺れ動き
自分を探す旅のようだった
いずれ灰になって大地に帰る
後戻りできない この世の定め
漂いながらどこにたどりつくかわからない
不安
しかし
希望でもある
そうだ
希望の星を見つけるんだ
苦しくてしかたないんだよ 本当は
慰めも癒しもない現状
でもでもでも
時の魔法を信じて
この広い世界
生きることをあきらめないぞ