でもでもでも
炭本 樹宏

 
 清らかな朝 神聖な朝
 想いっきり新鮮な空気を
 胸いっぱいに吸い込んでみる

 遥かな幼き日に見た朝日は
 今は見れない

 大地に両足を踏みしめていた
 季節は美しく通り過ぎた
 母の温もりに埋もれていた

 季節が何度も通り過ぎ
 赤や青や黄色の経験をして
 泥道やでこぼこ道をあるいてきた

 夢のように月日は流れ
 今 ここにたどり着いた

 ふてくされてばかりの青春は
 苦くて現実から逃れたかった

 やがて愛というものを知り
 本当の友情をしり
 生きることに誠実になろうと誓った

 桜舞い散る春も
 寝苦しい夏も
 鈴虫ないて安らぐ秋も
 凍える中を歩かなければならない冬も
 季節が変わるごとに心は揺れ動き
 自分を探す旅のようだった

 いずれ灰になって大地に帰る
 後戻りできない この世の定め

 漂いながらどこにたどりつくかわからない
 不安
 しかし
 希望でもある

 そうだ
 希望の星を見つけるんだ
 
 苦しくてしかたないんだよ 本当は
 慰めも癒しもない現状

 でもでもでも

 時の魔法を信じて
 この広い世界
 生きることをあきらめないぞ




 

 


自由詩 でもでもでも Copyright 炭本 樹宏 2006-03-22 07:04:00
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