微笑んで
AKiHiCo

その瞳に映った僕は偽者かも知れない
空になった心を必死で崩れぬように
両手で抑えるけれど皹割れは止まらず
破片が肌を傷付け血を流す
いくら笑ってみせてもどこか寂しくて
何かが不足している感覚

話していても心は他所を向く
僕はどうして生まれてきてしまったのか
答えなど出るはずもないのに
考えてみては溜息を漏らす

違う場所に逃げても何も変わらない
僕は僕なのだから
ずっと過去に囚われた悲しい人
いつの間にか何もかもが
怖くなって

小さな頃に抱いていた夢は
いつから失ってしまったのだろう
あんなに未来に憧れていたのに
壊れた心の螺子を廻せば溢れてくる涙
頬を静かに伝って軌跡を残す

その瞳に映る僕は微笑んでいる
空っぽで罅割れた心を秘めながら


自由詩 微笑んで Copyright AKiHiCo 2006-03-21 00:06:45
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