かざぐるま
霜天

青を返してほしい
そんなふうに君の冬が終わる
言葉や言葉で、足りないものを補おうとすると
真ん中のあたりで呼吸が足りなくなって
いつも空っぽになる風に
くるくると回転してしまう


帰り道に、はぐれる手に
坂道を、君が春へ降りていく
足し算ですべてが、同化していけばいい
景色は同じになっていく
そんな声が聞こえてくる
待てなかった君の速度で
掴めずに振り返る音の深度を
抱いているようで
抱かれていたのは
まだ遠く
きっと僕らが落ちるために


青を返してほしい
突き刺さりそうな言葉の端を
慰めの夕暮れにほどくように
緩やかに融解していく
毎日や日常
そこに属していた君の視線は
斜めから
遠くなる人たちの背中に出会うために
いなくなるための色に
馴染みはじめていく


そうして
君の冬が終わる


自由詩 かざぐるま Copyright 霜天 2006-03-19 02:07:27
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