取り戻すんだ夢を
炭本 樹宏

 
 真夜中の快楽
 みなが寝静まった街灯が照らす清らかなアスファルト
 遠き少年時代
 束縛の鎖から放たれたかった

 今はもてあます時間の中で
 過去に生きている

 こんなにも開放されると
 こんなにも一人が怖い

 すさんだ精神は
 タバコの数だけ顕現する

 いたたまれず 声をあげる
 凍てつく空気は 僕を責める

 つかまる つかまる

 まだ 成熟した大人になりきれない僕は
 微かな電磁波で 怯えている

 広大な宇宙の中で触れ合う喜び
 やさしい太陽の光が ありがたくも僕に
 ふりそそぐ

 あきらめはしない
 生まれ変わってもいいんだ

 僕は僕のパズルを解くんだ

 コスモスを行き来するバスに乗って
 あきらめた夢をとりもどすんだ



自由詩 取り戻すんだ夢を Copyright 炭本 樹宏 2006-03-18 05:42:47
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