あわゆきの はつはるに
はな 


おふろばのタイルに 線を
ななめに引く

わたしの、ナチュラルは
メイク落としの途中
まだ、水でながしていないとき
のぞきこむので
ゆぶねの、
なにもないさみしいところに
映りこむ

さかさまのこさめが
つよい朝の風にゆれていて
ひかったり
かげったりして


生きるためって いつも、言うね
たばこを吸っている
ベランダの
きまりごとに あいされている
わたしは咽ながら
その一本だけ
みじかくなるまで 吸いつづけて
雲のとばされた空に
わたしをとおってぬけてゆく

あなたの匂いが
鼻孔にのこってしまう


紅茶は濃すぎて
つくえの上の書類の
続き柄 の欄に
しずかにふる あわゆき

みょうに燥いで
踏みしだき
ひとつずつ 生まれる熱




自由詩 あわゆきの はつはるに Copyright はな  2006-03-18 00:09:56
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