ロベルトは蜜柑のように。
仲本いすら

わたしの肌は
蜜柑のかおりが
少ないせいか
かさかさに
なってしまって

こんなんじゃ
新しい恋なんて
できやしないわ
燃えるような
熱い恋だなんて

わたしは
そう、言った

あなたは

木の葉ってさ
乾燥してれば
してるほどに
よく、燃えるから

潤いだけが
大事じゃないさ

若さだけが
大事じゃないさ

そう言って
蜜柑の皮を
剥いて

指先を
黄色く染めた

つんと、柑橘の
世界に落ちた。



自由詩 ロベルトは蜜柑のように。 Copyright 仲本いすら 2006-03-10 21:29:48
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