銀色の途
まどろむ海月


目覚めのあと 君は ポケットに
物語を入れて 歩き出す

星達がかすれてゆく 
夜明けの波が 
足跡を消す前に

渚でひろった卵の殻を
見つめても
思い出せない家路


 手をのばして
 誰のせいでもないのだよ 

 私でない私が生きている
 それが私なのだから
 
 君でない君を 君として
 そっと抱きしめること
  それは ・・・


暗喩のページを 開いても
見出せないものを
春の気配が広がる
曙の空に
さがしている










自由詩 銀色の途 Copyright まどろむ海月 2006-03-08 01:05:42
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