香り 触れよし
千月 話子


 ブルガリア

ローズ・オイル摂取する
あなたとならば
触れ合いたいのよ
手を繋ぎ 
じわり濡れゆく
感情線から恋愛線へ
薔薇香水は
流れ 流れて




 黄 緑

柚子 とんとん
柚子 ぽんぽん
と もてあそぶ
幼い子の手
紅葉手を
ひらひら させて
はらひら させて
テーブルに並べた魚
秋刀魚さんが
美味しくなるよに




  白檀

今日の空気の匂いの違う
ふわら ふわら
近寄ってきて
胸の奥から あの頃の
あの場面 あの情景に
似合う和花の
香りを嗅がせて
纏い付くのは 多分
あなたの腕と頬
写真に残した同じ姿で
そこに いるのね
お帰りなさい
お帰りなさい




 和三盆

お茶の事
作法の事など
知らぬれど
縁側の梅
添えて飲み干す
抹茶の温度
ほの春と呼び
もぎゅる もぎゅる
歯を押し返す
菓子は さざ波
あんの波
喉の奥へ抜けてウェルカム
ようこそ日本へ
いらっしゃい








自由詩 香り 触れよし Copyright 千月 話子 2006-03-06 23:19:19縦
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