現在位置・存在
アザラシと戦うんだ
空を見るのに
上ばかり向いてると
首が痛くなってしまうので、
仰向けで見てみる。
自分の存在と空間に
果てはなく
遮るものが、無い。
ただ鼻づまりだけが
私を遮る。私は鼻をかむ。
さっすがに(ずびび)空は
鼻づまりを圧倒してる。
あれ?ここは夢の中だろうか。
「あんたはどこから来て、どこへ向かうの?
愛しい人が耳元で訊ねる。
「このどうしようもなく拡がっている空間に、
存在していることは変わらんよ。
私は答える。
「俺も今ここに居るのは変わらんね。
返事が、来た。
動けない。動けない。ジタバタ。じたばた。
もっと言いたいことが沢山あったのに。
「焦らなくていいよ。
あなたの優しい声。
泣いてしまう。