幸せならパンツを脱ごう
虹村 凌



幸せなら手を叩こう
部屋の中で 便所の中で 電車の中で
幸せなら手を叩こう
朝焼けの街で 夕暮れの街で 星月夜の町で


**

教会の中で祈りを捧げる人々
幸せそうじゃない顔
叩かれない手
ただ俯いて俯いて
小さな声でぼそぼそと祈る祈る

懺悔と憂鬱が膨らんで膨らんで
祈りが気分を沈め沈めてゆく
限界まで膨らんだ懺悔と憂鬱は
ゆっくりと弾け弾けてゆく

神父達は床に四散したその切れ端を口に含んでは
びくびくと射精するように笑って笑う


***

祝福の拍手は万来の拍手
スタンディング・マスタァベイション&イッセイ・ジャックオフ
取り残された人々は
欲望の中で溺れてゆく


****

幸せなら手を叩こう
部屋の中で 布団の中で 膣の中で
幸せならパンツを脱ごう
部屋の中で 便所の中で 電車の中で
朝焼けの街で 夕暮れの街で 星月夜の町で


*****

幸せなら手を叩こう
幸せな君が脱いだパンツを加えて
幸せな僕が手を叩く



自由詩 幸せならパンツを脱ごう Copyright 虹村 凌 2006-02-28 08:45:53
notebook Home