たもつ



夕暮れ
警察署の壁面が赤く染まる頃
帰宅途中の私はその前に来るといつも
自白する

通勤鞄の底のそこでは
見慣れぬ証拠物件が小さく笑っているが
立番の若い巡査はそ知らぬ顔で
手錠をじゃらりとさせる

のを
背中で聞きながら
県庁舎下の吹き抜けを通り
落下していく
夜の街へと



自由詩Copyright たもつ 2006-02-24 17:40:41
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