かしこに
jei

 
 
 

冷気も熱気もふきだまる、いにしえの都
盆地のそこかしこに
立ち昇る仏寺の香はそこかしこに
自然のものだったはずの土地は縦横無尽の
区画されたまちへと緊縛
亡きあの人の菩提に緊縛
思い出に緊縛
むしろ僕自身が新生する必要に気づくために緊縛
立ち昇り、盆地を満たす仏寺の香
飛び降りるべき清水の舞台はそこかしこに
燃やすべき金閣寺はそこかしこに

かしこに

 
 



自由詩 かしこに Copyright jei 2006-02-22 18:54:58
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