あなた
ふく
空
六角形が重なり合う曇りガラス
差し込む青に形はないけれど
白の六角形はまだ落ちない
風が白を遠くへ運んでいったから
庭
季節が透明に歩いてくる
埃っぽいコンクリートのにおいを乗せて
ペダルはまだぐっすりと物置で静かに
思いきりこがれる日差しを思い出す
春
うららかになるにはまだ遠く
手のひらの空気を逃がすには寒い
南にはもうあなたが来てるのね
ここではまだ雪の下の合図は見えなくて
鮮やかを置いていくあなた
空にも庭にも見えるのに
まだ手をつなげない
うららかになるにはまだ遠く
手のひらの空気を逃がすには寒い
南にはもうあなたが来てるのね
ここではまだ雪の下の合図は見えなくて