かくめいのひ
ブルース瀬戸内

もうあしたは

かくめいのひなんですね



おとこのこが

みちでえをかいているおじいさんにいいました。


そうじゃ

あしたはいよいよかくめいのひじゃ

わしはかくめいまえのまちを

しっかりとかきとめておくよ



おじいさんはいいました。

きゃんばすにはまちがえがかれつつあります。


まちはなにもしらないのです。

あしたがかくめいのひで

まちがなくなるなんてことを

まちはさっぱりしらないのです。


れきしがきざまれて

せいぜんとして

おもむきもあって

おとこのこもだいすきなこのまちは

あしたのことをしらないのです。


なにかをしらないことが

そのひとにとって

ふこうであるとはかぎらないように

まちにとっては

かくめいのことなんてしらないほうが

しあわせなのかもしれないと

おとこのこはおもったりもしました。


あさのまちも

ひるのまちも

よるのまちも

おとこのこはだいすきですが

おとこのこは

そのひ、まちをでました。


つぎのひ、

かくめいがはじまりました。

ほうだんとじょうほうが

まちをとびかいました。

でもかくめいは

うまくいかなかったみたいで

きせきてきに

だれもなくなることもありませんでした。


そのひ、

えをかいていたおじいちゃんはたいほされました。


おじいちゃんのかいていたえがのこっていたので

よくよくみると

かくめいまえのまちのようで

じつは

かくめいがせいこうしたときの

まちのようすがえがかれていました。

おじいちゃんは、かくめいぐんのりーだーでした。



おとこのこはそのえがずいぶんときにいって

もってかえって

へやにかざりました。


そのえのまちでは

おとこのこのいえが

すこしおおきくえがかれていました。


自由詩 かくめいのひ Copyright ブルース瀬戸内 2006-02-21 07:45:56
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