「 屈折した火曜日。 」
PULL.
例えば人が硝子だとする。
だから人がレンズだとする。
屈折するひとりが見る世界は、
どんなだろうか?。
では、
もうひとりがいるとする。
だから、
もうひとり重ねてみる。
互いに屈折する、
ひとりとひとりが見る世界は、
どんなだろうか?。
また、
もうひとりいる。
なので、
もうひとりとひとりと重ねる。
交わって屈折する、
ひとりとひとりとひとりを通した世界は、
どんなだろうか?。
重なり合えば、
見えるとは限らない。
決して、
ひとりのレンズには、
それぞれの性格があって、
相性もある。
ぼやけてしまう。
だけど、
ぼやけて欲しい世界もある。
だけど、
ぼやけて欲しい瞬間がある。
もちろん、
レンズは人。
明日もそうだとは限らない。
明日もその人だとは限らない。
夜明けまで重なり合っても、
ちょっと眠れば別のレンズ。
月曜日の朝には、
雨に濡れて割れる。
こともある。
例えばわたしが硝子だとする。
だからあなたは屈折して下さい。
気に入らなければ、
どうぞお割りなさい。
決して恨みはいたしません。
了。