「 屈折した火曜日。 」
PULL.

   





例えば人が硝子だとする。
だから人がレンズだとする。

屈折するひとりが見る世界は、
どんなだろうか?。

では、
もうひとりがいるとする。
だから、
もうひとり重ねてみる。

互いに屈折する、
ひとりとひとりが見る世界は、
どんなだろうか?。

また、
もうひとりいる。
なので、
もうひとりとひとりと重ねる。

交わって屈折する、
ひとりとひとりとひとりを通した世界は、
どんなだろうか?。

重なり合えば、
見えるとは限らない。

決して、

ひとりのレンズには、
それぞれの性格があって、
相性もある。

ぼやけてしまう。

だけど、
ぼやけて欲しい世界もある。
だけど、
ぼやけて欲しい瞬間がある。

もちろん、
レンズは人。

明日もそうだとは限らない。
明日もその人だとは限らない。

夜明けまで重なり合っても、
ちょっと眠れば別のレンズ。

月曜日の朝には、
雨に濡れて割れる。

こともある。




例えばわたしが硝子だとする。
だからあなたは屈折して下さい。

気に入らなければ、
どうぞお割りなさい。

決して恨みはいたしません。












           了。



自由詩 「 屈折した火曜日。 」 Copyright PULL. 2006-02-21 00:23:08
notebook Home 戻る