とげ
あおば

     
百年間に一人も生まれなかった
小さい色したかえるの子

百年間は長くて短い
言葉の留まる時間もない
小さな木の葉が地面に落ちる間に
過ぎてしまった

緑色の葉が褐色に変じて
朽ちゆく速度

指先に刺さった褐色の棘
中傷を逃れて自由になった
捨てられて朽ちてゆくのか
紅いバラを守った緑の棘
鋭く空に牙を向ける

質問 小さい色とはどんな色

           (作 81.6.18)


自由詩 とげ Copyright あおば 2006-02-21 00:06:43
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