木の家に
あおば

木の幹を釘で突き刺し
木の枝を鉈で落とし
木の幹に穴を開け
木の中に住み着いたぼく

木の心は悲しいのに
木の中のぼくは知らん顔
もうひとつのこころを追い出して
釘を突き刺し切り落とし穴を開け
木の幹に豪華な家を建て
貧弱な家族を住まわせ踊らせる

木の幹になる夢を見つづけて
もうひとつの命を枯らし
もうひとつのぼくに
もう一本の釘を突き刺して
歩いているぼく







作2001/01/03


自由詩 木の家に Copyright あおば 2006-02-20 23:59:15
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