とげ
たもつ



とげ屋に行った
店には色彩のきれいなとげや
いい匂いのするとげが並べられていた
地味目で自分によく似たものを買うことにしたが
名前はどこか似てない感じだった
店を出ると
空は漫然と晴れていて
少しも当たり所がなかった
夜、家の者が寝静まってから
とげを刺してみる
わずかばかり痛みがあったけれど
それで何かを語ることも
違う気がした




自由詩 とげ Copyright たもつ 2006-02-20 09:07:53
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