*三日三晩*
かおる



じじとばばとぽぽと言うウーパールーパ型山姥が
漆黒のマントを翻し
鈍色の深鍋を掻き回している

薔薇色の身だしなみをひとつ
二枚舌のごまみそ髄をふた掴み
四角四面のしゃちこ蝗の規律規範を三粒

安全装置は命を落としても絶対作動させない
裏マニュアルと言う抜け道を駆け上がり
効率と利益重視のあだ花が禍々しく種を飛ばし
三日三晩煮込んだスープの中に混ざっていく

三匹のヤマンバが記憶にございませんと
鴉のような嗄れ声で呪文を唱える

蜘蛛素城の御城主様に差し上げる混濁のスープの用意万端

偽善も悪事も表裏一体
所詮この世はぐるぐる回る影灯籠

頽廃の杯を飲み干し、花道で大見得を切る
うつけもんは今、いずこ


自由詩 *三日三晩* Copyright かおる 2006-02-19 15:57:03
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
王様の耳はロバの耳