ジョギング
炭本 樹宏


 星の降る丘めざし
 街灯が照らすアスファルトの道を
 凛と涼しい顔で
 背骨をしゃきんと伸ばし
 おいしい空気を吸いながら
 一歩一歩足を進めていく

 リズムをとりながら
 バランスに気をつけながら
 二本の足で走る快楽
 
 夜だけが僕を包み
 景色は移ろい進み融けて行く

 呼吸が僕自信の存在理由になり
 足跡が僕の罪を和らいでくれる
 通り過ぎる人の生活を匂いながら
 僕の進む道が一筋の線となって現れる

 滲む汗を運び去る風は優しく
 何にも囚われることのない自由が
 僕の動脈の中を流れていく

 じっくり味わいながら走るのだ
 この道は未来につながっているのだ
 僕は明日の自分を信じるから走るのだ
 
 走れ

 走れ

 走れ

 そして

 季節を越えて

 跳ぶ





自由詩 ジョギング Copyright 炭本 樹宏 2006-02-17 01:03:40
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