お湯の入った水槽の中で
こめ

ポチャンと天井から

水滴が落ちてきた

湯気が拡がった

お湯の入った水槽の中で

ぼくは体育座りして

悲鳴のようなため息を

一つ吐いた

横に置いていた砂時計がゆっくりと

砂を落としていた

ふと何かの弾みで

お湯の中に砂時計が落ちた

ゆっくりと沈んでいった

まるで底なし沼に入っていくように

そしてゆっくりと

上がってきた

そしてプカっと

ぼくの目の前に浮いてきた

砂時計の割合は

9:1これはぼくの

影と光の割合のような

グラフとかしていた

お湯の中のぼせた僕は

なにかここでしか味わえない

何かを感じ取って

空想の中へ飛び込んでいった



自由詩 お湯の入った水槽の中で Copyright こめ 2006-02-16 19:15:59
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