恋に敗れたその翌日
むくげ



破れた。
ひとつ、「好き」と伝える度に 胸が軋んだ。
まるで油の切れたブリキの車輪のように、
甲高い音を立てながら かろうじて回る。
わたしは必死に、ある一言だけを繰り返し口にして、
とめどなく流れる涙を呑み続けた。
叶えたかった。
とても、 とても大切だった。
わたしはこの気持ちを愛していた。 愛されたかった。
彼女のように、 輝きたくて。

勇気に溺れた 2月14日。
敗れた。


携帯写真+詩 恋に敗れたその翌日 Copyright むくげ 2006-02-15 23:08:01
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