二月
船田 仰
真新しく光る記号になりたい、と
ピンクのブーツをぶらぶらさせながら考えた
雨上がりのカップルは
急ぎ足で写し出されているなんて知らない
愛すべき先輩たち、がっかりしてよ
中途半端な振動がぼくを繋いだまんま
どろどろ、シェイクを溶かしていくんだ
何だか器用ね
ぼくはそれを夜とよぶ
たぶんきみも
ぼくはそれを衝動とよぶ
たぶんきみは
わりとあっさり平安を捨てる
両手をポケットのなかで生かす
誰のにおいも思い出せない
猫と街灯が伸びて走ってゆく
ぼくはそれを
皮肉とよぶ
自由詩
二月
Copyright
船田 仰
2006-02-15 01:44:27