レール
便乗鴎
雲の隙間 渡り鳥の影
兄弟は膝で立って見つめる
煤けた駅に着く度
ひとつひとつ歳をとっていく
遠く青空を
帆船が抜けるような春
冬のような春
ガラス窓が区切り
今もう車内では何も聞こえない
旅行者はコートを脱ぎ
溜め息は陽の光が蒸発させる
洗われていく
癒されていく
かけがえない物
持った人 持たなかったひとも
ほのかに明るい海へ
決められたリズムで揺られる
自由詩
レール
Copyright
便乗鴎
2006-02-14 12:37:16
縦