白い悲劇の果てに
アマル・シャタカ

白日の世界に跪くわたしに
昏々と降り注ぐ言の葉は
もう
何も見なくてすむようにと
眩く光る

泣きたくはない
あの人の笑顔を焼き付けるため
でも
言の葉も 涙も
それを許してはくれなかった

ごめんなさいと口にすれば
崩れ落ちて土に帰り
さようならを囁けば
流れ星になった

自らの言の葉に埋もれて
身動きすらできず
流れ星を見上げるだけ
このまま呼吸が止まってしまえば
きっと幸せだったのだろう

弾けた思いが雨になり
わたしを埋めていた言の葉を
一つ残らず
悲しみの海に流していった
頬を流れる雨
わたしの握り締めた拳の中に
残された最後の言の葉は
「ありがとう」だった

わたしは帰らなければならない
あの人を一人にしてしまっても
たとえそこが悲しみの海であっても

流れ星が
さようならと告げる

拳を握り締めて
わたしは

星空の下を
歩き出す


自由詩 白い悲劇の果てに Copyright アマル・シャタカ 2006-02-13 16:56:30
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