いつからかはじまっている
nm6

ぼくらは空に近づこうとする、いつも包まれるばかりでひとつにはなれない。ひろびろと伸ばしたつまさきをゆびさきを、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビルの輪郭を、の、なぞっては、悪い悪い噂をどこか遠くに流して吹かれてフライしていた。ハローハローハウアーユー。ああ、いつかの国と違ってしまった。




  オートリバースはオフ。
  髪を切っても気づかないし、誰かが死んでも傷つかない、と
  ことにことに決めたことに、
          (ことに)




あるいは、寝転がった芝生で忘れてしまう。夜はこうして光るのだった、とか気づく。いつの間にか冷え切っている。やわらかに手をつなぐ。新宿に屋上庭園のあちらそちら。渋谷に向かう場所のどちらそちら。星と星の点線を、の、むすんでは、近い近い気持ちをここに見過ごしたフリをしてスタンドしていた。ハローハローハウアーユー。いま、誰からも隠れていくもののこと。

  「見えないよ。
   でもきれいだったりすればわかるし、
   くるしかったりしてもわかる。」




  この目の前に見える範囲の
           範囲のどこかで、
  それ、混ぜ込んでしまえば成分になる、と

  ことにことに決めたことに、
          (ことに)




きみは空に近づこうとした、でも包まれるばかりでひとつにはなれない。ソラシ、ソラ下のぼくら。空から上空旋回する、リンととがらせる。新宿にアスファルトのあちらこちら。渋谷を通り過ぎるどちらこちら。ビルとビルとビルとビルの輪郭を、
          星と 星と 星と 星の、
なぞっては、点線を。




                       とか言うな。
「ぼくらは固まりとしてくるしいのかもしれない」という悪い悪い噂。









オートリバースはオフ。
ハローハロー、
ハローハローハウアーユー。




ただぼくらは、
「光るものが好きだから見つめているだけです」と、
こぼした。


自由詩 いつからかはじまっている Copyright nm6 2006-02-11 02:24:52
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