視線
ゆきお

愛していたあなたは

いつも遠くを見ていた


その瞳は揺らぐことなく

いつもまっすぐ見つめていた



遠くの雲はひとにぎりで

何もかもを見透かしているようで

私はなんだか泣きたくなった



愛していたあなたは

いつも彼女を見ていた

その瞳はよそむくことなく

いつもまっすぐ見つめていた



そして私はそんなあなたを

ずっとずっと見つめていた


自由詩 視線 Copyright ゆきお 2006-02-10 22:02:38
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