*きろ、つきはなし*
かおる
あぁ、なんて小さいのか
拳一つ分の命は
ワンポンドにも満たないと
その儚さに反する温もりと
ズシンとくる重さにおののきながら
まばゆいばかりに輝く微笑みに癒され
見守る光に照らされ歩き始めた
なんと言う事も無く選んできた路
ついていただけなのかもしれない
岐路に立ち あたりを見渡す
どちらに行こう
今日は新月 月はなし
タケノコの皮を剥くように
一キロ往き毎に一つ想い出を突き放し
一キロ進んでは二つ温もりを突き放し
一キロ歩むと三つしがらみを突き放し
あんなに明るかった過去はだんだん遠のく
あたしは一人
寒空に☆が瞬いている
あたしの笑顔も輝いているのかな