じみこん
たもつ



彫りの深い司会者が
深い彫りの中で溺れて
ウェディングケーキはもう
瞼の中でしかカットされない

花束を越えて
何度も生まれてかわろうとする
たくさんの父と母は
まだ静かなまま
人の子ども

とても虚しい日だね
どんなに言葉を積み上げても
何も語れない

新郎新婦のいない会場で
誰もいない招待客が
小さく欠伸をして
式はただ淡々と進行していく




自由詩 じみこん Copyright たもつ 2006-02-10 17:09:32
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