寂寥アストロラーベ
仲本いすら

願いをかけたテラスに
立て掛けてある望遠鏡は

星を見るために
存在るもの

生い茂る草に
宵の露が
降りかかった時

覘き口レンズは静かに光る


星を見ていたいと
嘆いていた盲目の父は

いつからか
星を詠う
詩人と化して

いつのまにか
北斗七星は

濁りながら
堕落を繰り返している

夜明けはもう
近い。



未詩・独白 寂寥アストロラーベ Copyright 仲本いすら 2006-02-08 19:02:07
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