死者とのコンタクト
Terry

 もう会えない。そう思ってた。私は悲しくて時に涙を流していた。母の棺にメッセージを入れた。「吉報とともに花を添えます」
 事の始まりは彼女とのツーショット写真を神棚へ供えたときからだった。後頭部がずーんと重たくなりまた取り憑いたなと感じ邪魔っ苦しかった。白いもやが見え、レトロビジョンをすると父の首が写った。これはやばいととっさに写真を下げた。二階へ戻ると多数のもやが見えたが、私は死なないことは分かっている。なぜ死なないのかは省いておきます。その中を掻き分けると、後頭部から八つぐらいの霊が寒気とともに去っていった。
 彼女と幸せになることも許さないのかとぶつけようのない怒りがこみ上げてきた。ありったけのレクイエム、鎮魂歌で安らかに成仏しろとスピーカーから流してやった。青い閃光が走ったがそれでも音楽を止めなかった。次は「パチパチパチパチ」と空中で音が動いた。霊を叩けたのである。
 信者さんに相談するとお供え物をしなさいと言われコーヒーを供えた。後頭部を誰かからなでられた。指のぬくもりと太さから推測するに、亡くなった父だと思う。結局はまたけんかをしてしまいました。死後の世界が何となくお分かりいただけるかと思います。とてもコーヒーブレイクと言えない体験をしました。
 もう何も悲しむことはなく私にとって両親は生きているのである。教会長は前にこう語っていた。神様からお許しが下ると両親は会えると。父は七夕の日に生まれた。天の川できっと二人は会っている。

*この物語はノンフィクションです。


散文(批評随筆小説等) 死者とのコンタクト Copyright Terry 2004-01-30 21:28:28
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