生きること
海月

誰か知らないけど
ホームから電車に突っ込んだ
鈍い音を立てても
微かに電車は動いていた

小さな四人分ぐらいの椅子に座り
誰かの生き様を見て
彼の輝ける瞬間を見れた気がした

隣の人の煙草の煙が
彼を送り出した

苛立つビルとビル
空の色が見えない
灰色と白色の感触
今は落ち着つ気がある

排気ガスとビルの威圧感
文明の進化は人類の成長
本能を捨て去り生きている

誰かの著書「死の定義」
共感するにはまだ早いかもしれない
少しでも長生きしようと努力するぐらいなら
彼と同じ運命を辿るだろう
努力をしていない内はとりあえず生きてみよう

高層マンションの一番上
一人の女性が飛び降りました

樹海で車の中で集団自殺
一酸化炭素で呼吸不全です

こんなニュースを耳にして目にして
僕の住む世界の不敏を知る
妙な人類の進化

生きることを選んだのだから
最後まで生きてみろ
結果を予想するなら
本当かどうか試してみろ

今すぐに死ねる世界だから
今を生きてみろ


自由詩 生きること Copyright 海月 2006-02-02 17:24:19
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