木々の雨(改)
青色銀河団

匙の上に
翠色の木々の雨を乗せ
ライターの火をつける
ノートに記された
たどたどしい少しの
日本語と冷たい風

ああそうです。彼はぼくの友達なんです。

終にそんな台詞は口にしたことがないなあ
ひとっかけらのぬくもりは
いつも真空のまんなかで
すぐ透明になっちまうから

太陽の沈む公園は
濡れたひとつの眼です
その美しい意味の深さまで
永遠に墜ちていくのです

ああそんな風景も目にしたことがない
いつもぼくらの手に残るのは
ただ残骸のようなやわらかな感触だけだから

背中合わせの影を突き抜け
季節は秋から冬へ
あのゼロの生まれる地点へ
ぼくらは路面電車にゆらゆら揺られ
永遠に戻ることはない





未詩・独白 木々の雨(改) Copyright 青色銀河団 2004-01-29 20:41:06
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