体温
石畑由紀子


皮膚を、
へだてているのは同じではないか、その
頂へ
ゆっくりと
のぼりつめるさま
あるいは
交わってなにひとつ溶け合わない、交わりは
交わりのまま皮膚の
上にしんしんと塗布
されてゆくもの

二体の
皮膚のはざまを震わせ、私たちは
静かに
発熱する、ゆっくりと
のぼりつめる 《ゆっくりと、》
のぼりつめる 《アルコォルランプの喉が鳴る夜に、》
私たちは 《のぼりつめる、》



目覚めた朝
私たちの毛穴はしっかりと閉じられ
それぞれのあたらしい体温が
保たれる、しんしんと
震わせつづける
祈りのなかで








自由詩 体温 Copyright 石畑由紀子 2006-02-01 21:56:57
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