菜の花
ラピス

ガラス瓶に傾いた菜の花があり
「一面の菜の花」が浮かぶ
どこまでも歩けた
ちっぽけなわたし
宝物の本を抱いて
菜の花の田んぼの小道が変わらないと
永遠に変わらないと
もう思わない
どこまでもアスファルト 走り抜ける自分
郵便局に
一輪の菜の花のおしべ
忘れてはいけない
忘れてしまってはいけない
同じ時代 みんな
どこででもみつけて
驚いて振り返る
走り抜けた自分
いま 菜の花とわたしと
菜の花とわたしと いまと
田んぼの小道に続く
おしべの中にめしべの中に

在った







自由詩 菜の花 Copyright ラピス 2006-01-30 07:07:56
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