ワンダー
モリマサ公

国道を利根川の河川敷にむかって歩いた
あそこで彼女と連れションして葉っぱでふいたりしたことを
いま
しみじみとおもいだしている

腕の中には死んだタヌキ
わたしたちは
それを埋めたかった


車にひかれた
死にそうなネコを拾って
病院につれていくと2万とられて
次の日ネコはやっぱり死んだという
電話のむこうがわで泣いている


彼女が妊娠したというのを
なにで知ったのかすでにおもいだせない

友達伝いに手紙をもらった
東京駅を中央線から京葉線にむかって歩く
歩く歩道ではいつも泣けてくる
理由ならいくらでもある

窓からみえる
あかり
そのひとつひとつにひとが住んでいること
いま
おいこすその背中や
おいこされてふれる腕

ホームに入ってくる電車
ホームから出て行く電車

腕の中には死んだタヌキ
わたしたちは
それを埋めたかった


北千住
商店街
午前一時
使い捨てカメラのシャッターを切る
切り取られたイメージによこたわる

愛した犬は二匹

その名前

わたしたちは
くりかえす

くりかえす
そのひとつひとつを

ホームからホームへ



これからもずっと


自由詩 ワンダー Copyright モリマサ公 2006-01-30 01:01:58
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