*こえ*
かおる




時々は流れに身を任せ
漂うのも一興
それでも
自分のうちなる声が
一番であるべきだよね

寄せてくる波に飲み込まれそうになり
たまさか、溺れそうな気分でも
翻る強さが欲しい

仲間はずれは嫌い
徒党を組むのも嫌い
処理能力以上の情報は収集したい
結構欲張り

いつも前だけを見つめて
お日様の下で笑っているくせに
滅びに美学によろめいたりもする
夜のしじまで透明な皮膜に包まれ
海のはらからを一粒 
ポロロンと零す

耳をすますと
聞こえてくる声ではなく
目をつぶると
聞こえてくる声を追いかけたい


自由詩 *こえ* Copyright かおる 2006-01-29 09:52:45
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