*こえ*
かおる
時々は流れに身を任せ
漂うのも一興
それでも
自分のうちなる声が
一番であるべきだよね
寄せてくる波に飲み込まれそうになり
たまさか、溺れそうな気分でも
翻る強さが欲しい
仲間はずれは嫌い
徒党を組むのも嫌い
処理能力以上の情報は収集したい
結構欲張り
いつも前だけを見つめて
お日様の下で笑っているくせに
滅びに美学によろめいたりもする
夜のしじまで透明な皮膜に包まれ
海のはらからを一粒
ポロロンと零す
耳をすますと
聞こえてくる声ではなく
目をつぶると
聞こえてくる声を追いかけたい