「空」
hiyoku
今日があっという間に昨日になって
昼間の青空を思い出す
吹き荒ぶ北風はヒコウキ雲を
南へ南へと連れてった
息を止めてレンズ越しに見つめている間に
雲は遠くへ行ってしまった
学校をさぼって同じ空の下 ここにいる僕とあそこにいる君
届かない距離も吹き飛ばして、空は平等に僕等に覆いかぶさる
掴めそうで届くはずもなくて
見上げては 立ち止まる
いくら目をこらしても全部なんか見えなくて
あぁ、ただ、この空はきっと大昔から変わっていないんだって、
50年前もこの場所で、誰かがこうしていたんだろうなって、心がうずいた
今 この瞬間
世界中のどれだけの人がこの空を見上げているんだろうなんて センチメンタルなこと
本気で考えたよ
空は1つで
僕らに絶対的な繋がりを見せて
敵も味方も ないよ
全ては、青空の下 平等で
よくわからない
底抜けな希望が降ってくる気がしたんだ
北風はやまなかった
でも、何か全部、さ、
大丈夫だと言うしかないんだ
僕等は
追いかけ切れなかった空は青くて広くて何もなかった
僕と君を繋ぐ この空は
ただ
ただ、何もなかったよ。