脱衣所
たもつ



靴下を洗濯籠に投げる
途中、失速して
僕の知らない野原に落ちる

しばらくすると
一匹の美しい横顔の生き物が
くわえて行ってしまった

もう何も無くさないようにと
決めていたのに
気持ちと身体の境目あたりに
痛さのようなものがあって
少し疼いてる

家族の楽しそうな笑い声が
茶の間から聞こえてくる
おそらく楽しいのだろう
あの生き物にも僕にも
帰るべき場所があるのだ




自由詩 脱衣所 Copyright たもつ 2006-01-23 22:27:40
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